マルチパーパスソリューション(MPS)について

 1日使い捨て(ワンデー)以外のソフトコンタクトレンズ(SCL)では基本的に毎日のケアが必要です。ケア用品は大きく
①マルチパーパスソリューション(MPS)
②ポピドンヨード剤
③過酸化水素剤
の3つに分けられますが、今回は現在の主流となっているMPSについてです。
 MPSとは1液で「洗浄、すすぎ、保存、消毒」といったSCLケアの全てを行えるケア用品で、その簡便さから急速に普及しました。しかしながら間違った使用方法により眼障害が増えている事実もあります。以下に幾つかの注意点を書いていきます。
 まず第一に「こすり洗いを欠かさない」ということです。MPSは液ですすいだSCLをそのまま目に装用する関係上、消毒力はあまり強くはありません。消毒力を強くするとSCLを装用したときに目の表面も傷めてしまうからです。こすり洗いでほとんどの微生物や汚れを落とした後に最後の仕上げとしてMPSで消毒するという感じです。こすり洗いをする指先が汚れていては意味がありませんので、事前に石鹸で手をしっかり洗っておきましょう。
 次に「レンズケースも常に清潔に保つ」よう心掛けるということです。保存するレンズケースが汚れていたら十分な消毒効果は期待できず、またレンズケースに付着した菌が原因で眼障害を起こす可能性もあります。消毒力があまり強くないMPSではなおさらです。レンズケースは毎回しっかり洗い必ず自然乾燥させるようにしましょう。レンズケースの保管場所としては誤って濡らしたりしないよう流し回りは避けた方がよいかもしれません。
 また使用していくうちに何かの拍子にボトル先端に触れるなどしてMPSのボトル内部が汚染されることもあります。同じボトルを長期間使い続けないようにしましょう。目安としては1本360ml前後のボトルを1ヶ月で使い切るぐらいかと思います。
 またこれはケア方法に関わらずソフトコンタクトレンズ全般にいえますが、「SCLを水道水で洗わない」ということです。水道水や井戸水の中にはアカントアメーバという微生物が混入している可能性があり、これはMPSで消毒することは出来ません。
 それとに「眼科で定期検査を受ける」ことです。何らかの自覚症状が出た時にはすでに眼障害がだいぶ進んでいるということもあります。目の状態にもよりますがほぼ毎日SCLを装用される方なら3ヶ月に1度の定期検査が推奨されています(日本コンタクトレンズ学会)。
 最後に、ケア用品の使用にあたっては各製品の使用説明書等をよく読んで手順等をきちんと守るようにしましょう。

2016年10月09日