糖尿病治療における運動療法

 日本人の失明原因の1とつして糖尿病網膜症が挙げられますが、米ミシシッピ大学のPaul Loprinzi氏が率いる研究チームによれば座位で過ごす時間が1日60分増えるごとに糖尿病網膜症のリスクが16%上昇したとのことです。糖尿病の人は運動不足で視力を失う可能性を高めるかもしれないということです。

 糖尿病治療は食事療法を中心に必要な運動療法を行い、状況に応じて薬物療法を追加していきます。血糖コントロールが安定している2型糖尿病の人は食事療法とともに運動療法も行うと、血糖値が下がるだけではなく動脈硬化の予防や老化防止といった点でも効果があることが実証されており、運動療法がいかに大事かということが解ります。

 忙しいと運動する時間はないと食事制限や薬で何とかしようと考えてしまうこともあるでしょう。運動療法を難しく考えることはありません。歩行など日々行っている動作も運動療法です。歩行運動であれば通勤、買い物などでも実践でき、体力や年齢に合わせて歩き方やスピードを変えることで運動量を調整することができます。

 ただし、運動による消費エネルギーはそれほど大きなものではなく食事療法の代わりにはなりません。また、体質的に薬物療法に頼らざるを得ない人もいます。糖尿病治療は医師の指導のもと各人の病態によって食事療法、運動療法、薬物療法をバランスよく行っていく必要があります。

 

2016年08月22日